長期実習を終えて(高等課程)
高等課程の2年生は、1月から半年間に亘り成人・老年・母子看護実習を行いました。実習終了後、事例をケーススタディとして発表しました。2年生の成長を感じるとともに、発表会を聴講した1年生も心を揺さぶられる時間となりました。
≪2年生≫
他の人のケーススタディを聞いて、皆がどのようなかかわりをしたかを知ることができました。患者さんの少しの動作や発言の裏にある思いを考えることの大切さや患者さんときちんと向き合い関わろうとする気持ちがあるからこそ個別性のある看護ができることを学びました。そして、今回改めて、看護実践に際しては、正確な知識を身につけることが必要であることと同時に、患者さんの身近な存在だからこそできる精神的ケアの重要性を感じました。(2年Aクラス T・T)
事例を書いていると、あの時はこうすればよかった、自分が行ったことは正しかったのか、看護になっていたのかと、自分自身と向き合い考えることができました。発表会では書記をしました。質疑応答の内容を書いているとその時の状況がイメージでき、発表者の考えていることや思いが伝わってきました。まとめるのが苦手なので書記をするのは嫌でしたが、してよかったと思いました。(2年Aクラス M・H)
ケースの指導を受ける中で、なぜ自分はその行動をしたのかを考えたり、できたことできなかったことを明確にすることができました。一つひとつの行動を言葉にすることで、あの時はこう思ったけど今思えばもっとこう考えるべきだったと多くの気づきがありました。ケーススタディを通して自分の弱さや認めたくない自分と向き合うこともでき、改善したいと思うようになりました。振り返ることは次に繋がる大切な行動だと思います。これからも、患者さんにとって大切なことは何かを考え援助していきたいと思います。(2年Aクラス N・M)
事例をまとめるにあたり日誌を読み直してみると、苦労したことや嬉しかったこと、悩んだことなど様々なことを思い出しました。実習をしていた時は、自分では精一杯のことを考え工夫して援助をしていたつもりが、実習後に読むと「なぜそのように考えたのか、なぜこのような援助をしたのだろうか」と思うことが多くありました。時間が経ち違う視点からみると、患者さんの気持ちもわかることがありました。仕上がるまでに何回も書き直し大変でしたが、発表後みんなから質問や講評をいただき、とても達成感がありました。(2年Bクラス R・K)
発表会に参加して、皆がそれぞれ違った病院で別々の患者さんを受け持たせていただいたのに、患者さんを思う気持ち、苦しむ患者さんの力になりたいと努力し悩んだことは共通していると思いました。感じたこと、学んだことは違っても一緒に成長できた気がしました。発表の内容や質疑応答、講評などからも自分の知らない知識や考え方など学び吸収できました。1年生のとき2年生のケーススタディを聞いたときはイメージできなかったけど、長期実習を終えた今は、患者さんの年齢、性別、発達段階や入院前の生活背景、疾患からの症状やADL(日常生活動作)に着目して援助を考えたり、その人にとってのQOLを考えるようなれたと思います。次の実習にこの学びをつなげていきたいと思います。(2年Bクラス S・T)
≪1年生≫
2年生のケーススタディを聴講し、1年後に自分があのレベルまでいけるのか不安になりました。聞きなれない専門用語や病名が出てきましたが、発表者の方はわかりやすくその風景が浮かぶようにまとめてあり勉強になりました。患者さんの言葉一つひとつを聞きもらさず必死に気持ちを汲み取ろうとされていてすごいと思いました。私も実習では、先輩方のように患者さんに向き合い、言葉にしない本当の気持ちを読み取れるようになりたいです。そのためには基本的な援助技術や身体の仕組みや働き、病気のことなど精一杯勉強して臨みたいと思います。(1年Aクラス M・T)
ケーススタディを聞いて、やはり看護は患者中心であることがよくわかる発表だった。患者の病気に対する苦しみ、その苦しみをぶつけられたときにきっと逃げ出したい気持ちになってしまうと思うが、患者の苦しみや辛さを思うと、それを少しでも軽減してあげられる方法を考えることが大切なのだと思った。相手に一生懸命向き合って信頼関係を築いていく喜びは、看護する上で一番うれしいことだと思うし、やりがいを感じられる気がした。実習では患者さんの立場に立って考え行動していきたい。(1年Aクラス A・O)
ケーススタディに参加して、これから実習に向けて患者さんにどうかかわれば良いのかヒントを頂きました。技術が完璧かどうかを問う前に、自分自身が患者さんに安全安楽な生活を送ってもらいたいという真心をもち伝えていくこと、信頼を頂くことがまず第一のスタートであるということ、看護技術が活きるためには、これらがベースであり最も重要であると思いました。患者さんは人間であり、体調や気分も毎日変わります。QOLを考え、どのような援助が必要かよく観察し、理解することが大切であると学ぶことができました。(1年Bクラス R・I)
発表を聞いて、看護目標に沿って一日のスケジュールを立て援助を行う過程において、症状や患者のペースにあわせ実施されていることがわかった。また、コミュニケーションの重要性も再認識できた。言葉を話せない方でも表情やまばたきで自分の気持ちを伝えてくれていることを感じとり、そこから患者の心理を理解することが信頼関係を構築する上で重要となる。自分たちもいよいよ実習がスタートするが、観察力を持って広い視野で全体を見ること、患者に寄り添った個別性のあるケアを行っていけるよう頑張りたい。(1年Bクラス R・T)